今日は、「
言葉を紡ぐ」ということについて書いてみます。
別な言い方をすれば、「
言葉を生む」という作業です。
こんな仕事をしているといろいろと文章を書く依頼があります。
依頼内容の多くは、「
もの」「
こと」「
人」に係ること。
「もの」でいえば、商品の紹介やトリートメントの内容など、形のあるものを対象とした文章。
「こと」は、サロンの紹介や企業の取り組み、あるいは、「形」にするためのコンセプトメイキングなど。
「人」は分かりやすですよね。人物をフューチャーしたものです。
それぞれの文章で書き方は異なりますし、構成ももちろん異なります。
取材が必要なものもあれば、すでにある資料をもとに肉付けしていく場合もあります。
文章を作る作業は、それぞれ異なりますが、根本のところは一緒です。
「もの」でも「こと」でも「人」でも、言葉によって表現し、伝わるようにして行く作業そのもの。
伝わりやすいように言葉を選び、つなげていく作業が、文章づくりなのです。
伝えるために、伝えやすい言葉を選ぶこと―それが言葉をつなぐということです。
難しく表現するのか、やさしく表現するのかによっても使う言葉が変わってきます。
どちらにしても
最も大切にしたいことがあります。
「もの」にしても「こと」にしても「人」にしても、
そこにはかかわっている人がいるということです。
その人たちの思いが存在するのです。
その思いを聞き出して、それを言葉に落とし込む作業こそが、文章作成の冥利とも言えますし、最も苦労する点です。
私もよくそこで筆が止まってしまいます。
「どう表現するのか」を突き詰めて自分なりの答えが見出せた時、「文章が文章として成り立つ」と考えています。
だからこそ、同じ「もの」「こと」「人」について書いても、書き手個々の表現方法によって、様々な文章が生まれてくるものです。
私たちの書く文章が「自動翻訳機」のように、機械によって画一的になってしまったら、文章に「味」が失われてしまいますよね。